最上階12階のマンションに、エレベーターの『26』ボタンがある話

約4分
最上階12階のマンションに、エレベーターの『26』ボタンがある話
目次
  1. マンションの構造
  2. 不動産会社に聞いた
  3. 住んでからの観察
  4. 管理会社への問い合わせ
  5. 追加で聞いた話
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Kさん(仮名・34歳男性・IT職)から届いた話。引っ越した横浜市内の築40年のマンションで、エレベーターのボタンに、存在しないはずの階数が表示されている経緯。

管理人としては、建物の物理的な構造に関する不思議な話は、心霊系とは別カテゴリで残しておきたい類で、Kさんの観察記録もそのつもりで記録した。

マンションの構造

Kさんが昨年引っ越したのは、横浜市内の築40年のマンション。地上12階建て。最上階の12階までが住戸で、屋上は出入り禁止になっている。

引っ越し前の内見の時点で、Kさんはエレベーターに乗った。古いタイプのエレベーターで、階数表示は液晶ではなく、機械的な押しボタンとランプだった。

ボタンを見ると、1から12までが縦に並んでいた、その下に「26」と書かれたボタンが1つだけあった。

不動産会社に聞いた

内見の時に、不動産会社の担当者にこのボタンについて聞いた。担当者は少し戸惑った様子で「確認します」と答え、後日連絡してきた。

担当者からの回答は「無効ボタンです。押しても何も起こりません」というだけだった。なぜ無効ボタンが付いているのか、撤去できないのかについては、回答が無かった。

建物自体は気に入っていたので、Kさんは契約して引っ越した。

住んでからの観察

住み始めてから、エレベーターを使う度にボタンを観察するようになった。

「26」のボタンは、他のボタンと同じ素材・同じ大きさ。後付けで貼り付けたものではなく、最初から組み込まれているように見える。

他の住人がそのボタンを押しているのを見たことはない。Kさん自身も、最初の半年は押さなかった。

半年経った頃、一度だけ押してみた。ボタンは押し込めた。ランプは点かなかった。エレベーターは動かなかった。10秒ほどで、Kさんは1階のボタンを押し直した。

管理会社への問い合わせ

気になって、管理会社にも問い合わせた。回答は不動産会社と同じだった。「無効ボタンです」。理由については「設計時の仕様で、現在は使用していません」とだけ。

Kさんは、設計図を見せてほしいと頼んだが、それは断られた。

マンションの古参住人(30年以上住んでいる70代男性)にも聞いた。その人は「あれは昔からある。気にしたことはなかった」と答えた。

Kさんは現在もそのマンションに住んでいる。「26」のボタンは、毎日視界に入る。住んでいる中で、特に怖い経験はない。ただ、毎日視界に入るのが、ずっと気になっている、という。

追加で聞いた話

取材のあと、Kさんが横浜市の建築関連の資料を当たって、追加で調べた結果も送ってくれた。
「建物の登記簿や建築確認書類を、可能な範囲で確認しました。築40年で、申請上は地上12階建てで、地下や中2階の構造は記載されていません」

ただ、Kさんが住んでいる建物は、隣接する2棟と渡り廊下で繋がっている構造で、隣の棟は地上14階建てだった、と。
「想像ですが、もともと2棟を1基のエレベーターでカバーする設計案があって、その案の名残でボタンだけ残っている可能性があります。ただ、それなら『13』や『14』のボタンがあってもよさそうで、なぜ『26』なのかの説明にはなりません」

Kさんが、別の住人(築30年住んでいる女性)に再度聞いたところ、その方は『前に住んでいた人から、26は気にしないように、と引き継ぎで言われた』と話したそうだ。
「『気にしないように』というのは、不動産関係でよく見る表現ですが、含意があるのか、単なる慣用なのかは分かりません。Kさんは住み続けるつもり、と言っていました」

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