七年前に亡くなった人の家に、五年続けて同じ年賀状が届く話
Kさん(仮名・52歳男性・四国の郵便局で集配)からサイトの問い合わせフォームで届いた話。メールで4往復ほど追加取材させてもらった。仮名と局名を伏せる条件で承諾をいただいている。
怖い話ではないです。五年ぶん記録があるので、送ってみます。
私は郵便局で集配をしてます。担当は山間の地区で、戸数は少ないです。
受け持ちの中に、無人の家が何軒かあります。
住人が施設に入ったり、亡くなって空き家になったり。表札は残ってても、郵便物は転送や還付の扱いになります。
そのうちの一軒に、年賀状が届くんです。
差出人の名前と住所は毎年同じ。県外の住所です。宛名も同じ。
その家の方は、七年前に亡くなってます。
最初の年は、普通に還付しました。あて所に尋ねあたりません、というスタンプを押して、差出人へ戻します。
翌年も来ました。
還付したものがまた出されるのは、珍しくないです。喪中を知らないとか、名簿をそのまま使ってるとか。理由は色々あります。
五年、続いてます。
毎年一枚。元日から三日以内に届きます。
差出人の住所へ連絡できないか、局で検討したことがあります。
還付は自動的に差出人へ戻るので、こちらから電話をかける手続きにはなってません。差出人の住所も、こちらで調べる立場にないです。
気になったのは、去年でした。
還付のスタンプを押すとき、裏面が目に入りました。
文面が、毎年同じなんです。
手書きで、五行くらい。字も同じ。今年もお変わりありませんか、という書き出しで、最後に会いたいですね、と書いてある。
同じ人が毎年同じ文面を書くのは、ないことではないです。
年賀状は決まった文句を書く人も多いんで。
ただ、日付のところだけ違いました。
元号と年が毎年更新されてます。他は一字一句同じで、そこだけ書き換わってる。
写しは取っていません。
郵便物なので、中身を記録することはできません。私が見たのは還付のときに一瞬だけです。だから記憶違いの可能性もあります。
同僚にも聞いてみました。
同じ家の還付を扱った人がいて、その人も年賀状のことは覚えてました。文面までは見ていない、との返事でした。
今年も来ました。
元日の配達で見つけて、還付の処理をしました。日付は今年に書き換わってました。
その家は、今も無人です。