祖父の古いラジオが、この地域では入らないはずの局を拾った

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祖父の古いラジオが、この地域では入らないはずの局を拾った
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Nさん(仮名・45歳女性・北陸在住)からメールで届いた話。メールで4往復ほど追加取材させてもらった。仮名と地名を伏せる条件で承諾をいただいている。

父方の祖父の家を片付けたときの話です。

祖父は一昨年に亡くなりました。家は空き家になっていて、去年の春から少しずつ整理していました。

物が多い家でした。

祖父は電気屋をやっていた時期があるそうで、道具や部品が押し入れに詰まっていました。ほとんどは処分しています。

一台だけ、持ち帰りました。

木の箱に入った古いラジオです。真空管のものらしくて、前面に布が張ってあって、つまみが二つ付いています。

祖父が使っていたのを覚えていました。

子どもの頃に遊びに行くと、いつも点いていたんです。野球とか、演歌とか、そういうものが流れていました。

動くとは思っていませんでした。

飾りのつもりで居間に置いていました。埃を拭いて、それで終わりのはずでした。

去年の夏に、電源を入れてみたんです。

コンセントに挿して、つまみを回しました。しばらくして、じじ、という音がしました。

音が出るまで時間がかかりました。

一分くらいだったと思います。だんだん音が大きくなって、それから普通に鳴りました。

最初に入ったのは、近くの局でした。

ニュースをやっていました。時刻も合っています。そこまでは、動いてよかった、というだけの話です。

つまみを回していったら、別の局が入りました。

音楽番組でした。曲の合間に、局の名前を言うんです。それが、うちのほうでは聞かない名前でした。

ずいぶん遠くの局でした。

県で言うと、いくつも離れています。私は詳しくないので、そのときは、そういうこともあるのかと思っただけでした。

息子に話しました。

大学生で、無線をやっている友人がいるそうです。息子も詳しくはないんですけど、調べてくれました。

夜は遠くの電波が届くことがあるみたいです。

電離層というものに反射して、昼間は届かない距離まで飛ぶ、と説明されました。私はそこは分かりません。ただ、珍しくはないそうです。

それで納得していました。

その後も何度か点けています。入る日と入らない日があって、入るのはだいたい夜でした。

三回、同じ局が入りました。

同じ周波数のあたりです。番組は毎回違いました。全部、今やっている番組です。古い録音とか、そういうものではありませんでした。

気になって、他の機械でも試しました。

台所に置いている小さなラジオと、あとは息子のスマートフォンにラジオを聞くアプリを入れてもらって。同じ周波数を合わせました。

どちらも、何も入りませんでした。

雑音だけです。同じ部屋で、同じ時間に試しています。

息子は、アンテナの差だろうと言っていました。

古いラジオは中に長い線が入っていて、感度が違うことがあるそうです。あと、家の配線をアンテナ代わりに拾うこともある、と。

そういうものかと思っています。

私は機械のことは分かりませんし、分からないままでも困っていません。

ラジオは今も居間にあります。

夕方に点けることがあります。だいたいは近くの局が入って、それを聞きながら台所に立っています。

遠くの局は、あれから二回入りました。

どちらも夜です。二時間くらい聞いて、消しました。

祖父の声が入るとか、そういう話ではありません。

ただ、七十年くらい前の機械が、今の番組を鳴らしているのが、少し不思議だなと思っています。

こっちにも、もうひとつ

フリマアプリで、同じ人が私の出品だけを十一回買っていた

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